アメリカ経済政策入門

原題は、"CONCRETE ECONOMICS  The Hamilton Approach to Economic Growth and Policy"である。

Hamiltonとは、アメリカ建国の父の一人、アレクサンダー・ハミルトンのこと。アメリカ経済政策はハミルトンの政策、考え方が受け継がれている。

イメージとして、アメリカは「小さな政府」志向で、自由貿易を推し進める自由主義国家だというのがある。しかし、経済政策においては、イデオロギーよりも実利をとってきたのがアメリカの歴史であるという。国内産業保護政策による産業育成、関税の有効活用などイデオロギーの枠に囚われない、実利的な政策をもとに経済発展してきたのがアメリカなのだ。

ニューディール政策ケインズ的な経済政策として実施したというのも後付けに過ぎない。当時はケインズだどうのこうのというより、目の前の大不況と格闘しなければならないという状況下で選択の余地のないものだったのかもしれない。

アメリカのプラグマティックな経済政策は日本も取り入れ、高度経済成長を生み出したという。腐敗した小役人ではなく、優秀な官僚が優れた経済政策を生み出したことで、経済発展が進んだ。まさしくハーヴェイロードの前提が正しく機能したものだったのだろう。

 

 

アメリカ経済政策入門――建国から現在まで

アメリカ経済政策入門――建国から現在まで

 

 

ハミルトンの著作

アレグザンダー・ハミルトン 製造業に関する報告書

ザ・フェデラリスト (岩波文庫)